外国人登録者数208万人、45年連続で増加

 日本に住む外国人登録者数は2006年末現在で208万4919人(前年比3・6%増)、日本の総人口に占める割合は1・63%で、いずれも過去最高を更新した。

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 45年連続の増加。法務省入国管理局がまとめた。

 国籍・出身地別では韓国・朝鮮が全体の28・7%(59万8219人)で最も多いが、高齢化や帰化などによって特別永住者は減少しており1991年をピークに減少傾向にある。以下、中国26・9%(56万741人)、ブラジル15・0%(31万2979人)、フィリピン、ペルー、米国の順。国籍・出身地数は188に達している。

 都道府県別では、東京都が36万4712人でトップ。大阪、愛知、神奈川、埼玉、兵庫、千葉、静岡、岐阜、京都を加えた上位10都府県の合計は全国の約7割を占める。うち前年比では岐阜が7・6%増、愛知が7・1%増と経済が好調な中部圏で高い伸び率を示した。

2007年5月21日11時54分読売新聞)

メディア再編 動き出すネット時代の成長戦略(5月17日付・読売社説)

 情報の電子化が進む中で、メディアが経営基盤をより強くしようとしているのだろう。

 金融情報サービスの売上高で世界3位のカナダ・トムソンが名門ロイター通信を傘下に持つ2位の英ロイター・グループを約2兆円で買収する。

 株式相場や企業の決算、新製品などの情報を即時に、銀行、証券会社などに届ける金融情報サービスは、金融のグローバル化で需要が急増している。

 2、3位連合で誕生する「トムソン・ロイター」の売上高は、1位の米ブルームバーグを上回る。巨大化をテコに、事業規模の一層の拡大を図る方針だ。

 一方、世界のメディア王マードック氏が率いる米ニューズ・コーポレーションは、有力経済紙ウォール・ストリート・ジャーナルを持つ米ダウ・ジョーンズに買収を提案している。

 マードック氏は「金融情報はカネを稼げる」と語ったという。経済情報に強いメディアを傘下に収め、グループの質を向上させる戦略なのだろう。

 欧米のメディアには、上場している企業が少なくない。その場合、「報道の独立」を株主から守るため、創業家などに特殊株を割り当てるのが通例だ。

 ロイター・グループは、1984年の上場に際して、有識者による「発起人会社」を作り、同社に敵対的買収などを拒否できる黄金株を持たせた。今回、同社が買収に同意したのは、トムソンが黄金株の維持を認めたためとされる。

 ダウには、創業家が一般株主の10倍の議決権を持つ複数議決権株がある。マードック氏も創業家の一角を切り崩さないと、買収を成功に導けない。

 宅配制度が発達していない欧米では、有力紙が相次いで、厳しい経営に追い込まれている。インターネットにあふれる無料のニュースに押されて読者が減り、広告もネットに奪われているからだ。

 経営が悪化した新聞社では、一般株主が特殊株制度そのものを批判し始めている。「報道の独立」を守る仕組みも、経営の安定があってのことだ。

 金融情報については、メディアが情報の受け手から直接、代金を徴収するシステムが確立している。これを他の分野にどう広げるか、が問われる。

 ネット上では、個人や企業が発信する玉石混交の情報が飛び交っている。メディアには、正確さと分かりやすさで、絶大な信頼を集めることが欠かせない。

 ロイター・グループの売上高の9割は金融関連だが、1割は一般ニュースだ。経営統合でニュース部門が疎(おろそ)かにされては、1851年創業の看板が泣く。

2007年5月17日1時31分読売新聞)

【北の渦】未来求め 逃避行1年

母親の胸にしっかりと抱かれる生後数か月の男の赤ちゃん。北朝鮮脱出後に中国で生まれ、逃亡生活をともにしてきた(チェンセンで)
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タイに入国した日、警察の建物の軒先で夜を迎えた。長い逃亡生活の習慣からか、一晩中交代で見張りをたてていた(チェンセンで)

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不法入国の罪で数週間の服役を終え、タイの入国管理局に移送される脱北者。このグループは、残された家族のことを気にして、顔を隠していた(チェンコンで)

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ラオス(右側)やミャンマー(左側)とタイ(手前)の国境が接する、「黄金の三角地帯」と呼ばれる一帯。地域住民が主に生活物資の輸送に使う小舟を使い、脱北者のタイへの不法入国が繰り返される

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チェンセン警察署から裁判所に移送される脱北者。化粧をする姿も見られ、表情は一様に明るい(一部画像を修整しました)


 「私たちは本当にタイに着いたんですね」。身ぶり手ぶりで必死に何度も警察官に問いかける女性たち。

 メコン川を挟みラオスとミャンマーが国境を接するタイ北部国境の町チェンセン。3月中旬、ラオス側からメコン川を小舟で渡り、タイ領内に不法入国したばかりの脱北者たちを目の当たりにした。その直後に逮捕、連行された地元警察署で、生後数か月の男の子の赤ん坊を抱いた母親は、不安な表情で訴えた。「ここ数日間、何も食べていないので母乳も出ません。何か食べ物をください」

 この女性たちが真冬の鴨緑江を泳いで中国側に渡ったのは一昨年の12月にさかのぼる。その後トラックやバスを乗り継ぎ、約1年かけて雲南省の昆明へ。メコン川上流では中国籍の貨物船にも忍び込んだ。1年3か月にわたる過酷な「逃避行」。しかし彼らは自分のいる場所がまだ良くわかっていない。

 数日後、警察での取り調べを終え裁判所に移送された女性たちの表情は一変して明るくなった。通訳から「ここはタイ。北朝鮮に送還されることはないと警察が保証している」と聞かされたからだ。「中国やラオスで見つかれば、北朝鮮に強制送還され、家族共々公開処刑される」。脱北者たちは常にこの恐怖と闘ってきた。

 タイ北部を経由して韓国や米国を目指す脱北者は、2004年には28人に過ぎなかったが、昨年は367人に。今年はすでに100人を超えている。バンコクの入国管理局の収監施設では、定員の3倍、300人以上の脱北者であふれる。チェンセン警察署では「ほかの事件や事故への対応に手が回らない。脱北者の直面する事態はわかるが……」と困惑を隠せない。

 「この子の父親は今でも北朝鮮にいます。韓国で仕事を見つけ、いつか家族で一緒に住める日が来ると信じています」。彼女らの将来への切なる願いだ。

カメラとペン・立石紀和 (3月16日~21日撮影)

2007年5月16日読売新聞)
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